日本国内で種鶏ひなを生産し供給しています。その種鶏やコマーシャル鶏(採卵を目的とした実用鶏)がお客様の現場で能力を十分発揮するよう技術的なサポートを行い、さらに安定経営を実現するお手伝いをしています。一貫したその取り組みによって、採卵鶏業界に貢献することが、私たちの事業です。

ゲンが携わった卵が食卓に届くまで

全国の養鶏農家で飼養されているコマーシャル鶏の多くは、当社の厳格な衛生管理体制の下で管理されている原種鶏が由来です。

01

育種改良

日本向けの鶏を作出するために海外のグループ育種会社と協議。

02

原種鶏輸入

育種会社から原種鶏を輸入。

03

原種鶏の飼育(農場)

原種鶏農場にて飼育・交配。種鶏ひなになる種卵(受精卵)を生産。

04

種鶏ひな生産(孵化場)

種卵から孵化させた種鶏ひなを全国の種鶏孵化場に供給。

当社は採卵用種鶏ひなの生産者として、上の図のSTEP1からSTEP4までを担当しています。

05

コマーシャル鶏生産

種鶏孵化場で生まれたひなを、卵の生産をする採卵養鶏場に供給。

06

卵の生産

採卵養鶏場で生産された卵をGP(Grading & Packing)センターで洗卵・選別の後、用途に合わせてパック詰め。

07

小売店の店頭へ

GPセンターから出荷された卵がスーパーやコンビニ、ドラッグストアなどの店頭へ。

08

ご家庭へ

消費者の皆様が店頭で購入した新鮮で高品質な卵が、各ご家庭の食卓に並びます。

当社の役割

日本向け育種への参画

長年にわたり、海外の育種会社と試験飼育を重ね、日本の気候条件や飼料、飼育環境、市場ニーズに合った鶏種の作出に参画しています。

安定供給への寄与

原種鶏を国内に保有することにより、安定供給を可能にしています。さらに、世界的な伝染病などの影響による輸出入制限の事態に対応するために、原原種鶏も導入しています。

養鶏家のサポート

当社の取扱鶏が最大の遺伝的能力を発揮できるよう、全国の種鶏孵化場および採卵養鶏場に対して技術的なサポートを行っています。

日本向け鶏種の選定と育種

当社は、海外の育種会社から鶏を輸入していますが、単に海外で評価されている鶏種を日本に輸入しているわけではありません。鶏のパフォーマンスは、産卵量や卵の品質などで評価されますが、気候条件、飼料内容、飼育管理の違いで大きく左右されてしまいます。そのため当社は、創業時より日本の環境との適合性を図るため、育種会社と連携して日本国内で試験飼育を実施。テストを繰り返しながら都度、最大のパフォーマンス・最大の利益を上げる鶏の選定を行っています。また、種鶏孵卵場や採卵養鶏場の問題、ニーズをいち早く捉え、当社と同じグループに所属している育種会社と共に、日本のニーズに細やかに沿った鶏の育種にも参画しています。
欧米市場と日本市場では、消費者が求めるたまごの種類や品質も同じではありません。例えば、白玉で小さい卵が好まれるアメリカ、茶色の卵を好むヨーロッパ、生たまごを食べる習慣がある日本。当社は日本市場の調査を定期的に行い、消費者が求める安価でおいしく、安全なたまごを食卓に届けられることを願い、日本向けの鶏の選定と育種を行っています。

生産・供給体制

− 鶏卵の品質と安全性を守るために −

原種鶏の輸入について

安全で高品質な種鶏ひなを生産するためには、遺伝的に優れ、かつ病原微生物に汚染されていない原種鶏ひなの輸入が必須です。日本に輸入される原種鶏のひなは、高い衛生管理体制を持つ海外の育種会社の孵化場で生まれ、日本に空輸されます。空港に到着したひなは、農林水産省動物検疫所で臨機検査を実施し、監視伝染病を疑うような異常が無いことを確認した後、当社が保有する農林水産大臣指定の検疫農場へ。ヒナの運搬には、快適な温度、湿度を保つことができる専用設備を備えたトラックが用いられます。その後、農林水産省動物検疫所の指導のもと、指定検疫場で14日間の検疫期間を経て、ひなが監視伝染病の病原体を広げる恐れがないと認められた後、当社の原種鶏農場へ引き渡されます。

原種鶏農場の衛生管理体制について

当社の要ともいえる原種鶏農場は、自然豊かな岩手県の山懐にあります。鶏病の発生を防止するため、東京ドーム約44個分という広大な敷地内で、日本最高水準の衛生管理体制のもと、少羽数生産に取り組んでいます。
鶏舎はオールイン・オールアウト方式を採用し、徹底的な洗浄・消毒を行うとともに、適切な空舎期間を設定。さらに車輌の消毒や、部外者の立入制限、従業員のシャワーと場内服への着替えなど、外部から病原体を持ち込ませないための対策を徹底しています。また、飼料は、サルモネラ対策として動物性タンパク質を含まず、加熱処理したもののみを使用。専用輸送車以外での搬入は行いません。もちろん、鶏には適切なワクチンを接種し、抗体検査および鶏舎内と飼料のサルモネラ検査も定期的に実施しています。

孵化場について

原種鶏農場で生産された卵を、孵化場の孵化機で約21日間温め、孵化させます。工程は自動化が進んでいますが、微妙な温湿度管理や雌雄の判別など、熟練した職人的な目と手仕事が欠かせません。もちろん、原種鶏農場と同様に、従業員のシャワーと場内服への着替えや車輌の消毒など、防疫対策を徹底しています。
孵化したひなは、ワクチン接種などの工程を経て、専用のトラック(チックバン)で全国の種鶏農場へ。そして、種鶏農場で生産されたコマーシャル鶏が、採卵養鶏場へと出荷される流れになっています。

海外から空港に到着したひなの臨船(機)検査風景

ひなが14日間の検疫期間を過ごす検疫育すう場

岩手県にある当社の原種鶏生産農場

場内に入場する車輌も専用装置で消毒を実施

鶏舎へ直接給餌できる飼料ストックタンク

岩手県にある当社の種鶏孵化場

種鶏のひな全羽にワクチン接種を実施